GribStreamブログ
NOAAのCFS後継モデル:SFS Betaを支える科学
大気・海洋・陸面・海氷を結ぶSFS Betaの季節予測と、2026年9月のv2.0更新の科学的な意味を解説します。
NOAAはCFSv2の後継としてSeasonal Forecast System(SFS)を開発しています。 SFS Betaはその実験段階のシステムです。2026年9月のv2.0更新では、海氷、海洋との相互作用、熱帯太平洋の予測の不確実性などを改善対象としています。SFSプロジェクト。
季節予測で何が分かるのか
季節予測は、平年より暖かい、あるいは雨の多い季節になる可能性を評価するものです。数か月先の特定の日の天気を正確に予測できるという意味ではありません。エネルギー、農業、水管理では、こうしたリスクの変化を計画に利用し、判断時期が近づいたら短期予報で補えます。
海洋、土壌水分、雪、海氷は大気よりゆっくり変化します。過去の状態の情報を保持し、その後の気候に影響を及ぼします。NOAAは、この長期的な記憶と適切な初期化を科学的な開発課題として重視しています。
結合システムの更新
CFSv2もすでに大気・海洋・陸面・海氷を結合しています。SFSでは、大気にFV3とCCPP、海洋にMOM6、海氷にCICE6、陸面にNoah-MPを用い、構成要素を更新します。目的は単に地図を細かくすることではなく、各要素の相互作用をより適切に表現することです。NOAAのシステム紹介。
大気の物理過程は主にGFSv17を基礎としています。計算負荷を抑える静力学FV3、成層圏の変動を表現する重力波抵抗の改良、乱流スキーム、時間とともに変化するエアロゾル気候値、マッデン・ジュリアン振動の予測改善を狙う深い対流の変更などが含まれます。SFS Betaの科学。
v2.0の変更が意味すること
更新では過剰な海氷融解を抑える調整と、海氷の初期条件への積雪気候値の導入を行います。海洋と海氷の結合、重力波抵抗、ENSO域で過大だったアンサンブルのばらつきを減らす確率的物理過程も調整します。これらは特定の問題への修正であり、すべての予測の精度向上を保証するものではありません。NOAAはv1.2からモデル気候値が変わる可能性を明記しています。9月の更新。
アンサンブルと再予報
基本設計は、毎月初期化する31メンバー・12か月予測と、1991年からの11メンバーの再予報です。再予報は過去の日付に対してモデルを実行し、予測性能や系統誤差を評価するために使います。偏差の計算には、予測のモデル版と整合する過去の基準値が必要です。仕様。
NOAAは1991~2020年の3~5月初期値を使う一部の検証で、気温、降水量、海面水温の予測がCFSv2より改善したと報告しています。これは以前のBetaの有望な結果であり、v2.0が全地域・全季節で優れることを示すものではありません。NOAAの検証結果。
GribStreamはSFSへの対応を予定
SFS Betaは引き続き実験段階で、CPCは2026年3月から予測資料として利用しています。NOAAはSFSv1の現業化を2027年末ごろの目標としていますが、CFSv2の終了日が確定したわけではありません。計画の状況。
GribStreamは、有効時刻と収録範囲を確認できる適切な公開データが利用可能になり次第、SFSへの対応を進める予定です。 準備作業は進んでいますが、現時点ではAPIで利用できません。
2026年9月25日現在、NOAAは月単位の大気・海洋プロダクトを公開しています。モデルの予測期間が12か月であることは、その全期間の日別値や6時間ごとの値が公開されていることを意味しません。NOAAのデータ公開概要。
当社の調査では、日別の大気データの有効時刻と収録範囲をまだ確実に確認できておらず、季節予測の全期間をカバーする6時間ごとの公開データも見つかっていません。そのため、これらの点が明確になるか、適切なデータが公開されるまで取り込みを保留します。対応開始後、対象プロダクト、収録範囲、利用例をこの記事に追記します。
